はじめての磐梯吾妻スカイライン

はじめての磐梯吾妻スカイライン
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高校の夏休みに友人と自転車旅をしてその時に、福島側からスカイラインを登った。あまりにも過酷だったのでその時の記憶がまったく無いという自分。いっしょに行った友人によると、高湯まで結構な登りを登ってきて、その先に料金所(当時は有料道路)があって心が折れた。とのこと。
これは、レベルが高いので猪苗代側から登ることにした。

霧の朝は晴れる

3時間目標で行きます。

コースは道の駅からスタートで、115号を猪苗代側へ進んで「東鴉川トンネル」を出たところから県道30号へ右折して温泉郡を抜けスカイラインを登ります。
道の駅つちゆからスタートして、スカイラインを登ってゴールし往復する。事前に「磐梯吾妻スカイラインヒルクライム」のリゾルトを見てみると、一番遅い女子の方が「2時間30分」。とある。
ということは、じじエンジンなら3時間で着けばもうけもの。とゆるく8時30頃に「道の駅つちゆ」を出発!

少し霧をまとった安達太良

初体験。最初から登り。

道の駅駐車場から国道115号(土湯バイパス)に出て、猪苗代側へ漕ぎ出します。
なんだこれ!重くて踏めない。ギャンギャンギャンと軽くするも太ももがビックリしている。漕ぎ出しからこんなに坂なのですね。失礼しました。
降参してインナーにシフトし、太ももに気を使いながら少しづつ慣らして走りますが、静かな磐梯朝日国立公園は、土曜日の朝から車がびゅんびゅん通り抜けます。
田舎道大好物のジイジには音がうるさくて楽しめない。特にバイクの方々がウルサイでございますよ(元バイク乗りなのですが)。どうしてそんなでかい音になったのか、わかりますけどウルサイ。ほんとに。
道幅がそこそこあるにもかかわらず、クラクションを鳴らされたりと心安まりません。

トンネル内自転車通行禁止!?

橋を何本か渡るのですが、右手眼下に景色が広がりキラキラ光る福島市内が見えて気持ちがいい。テンションは上がりますが、パワーは削られていきます。
コースにトンネルがひとつあり、トンネルを抜けてから右折と覚えていたのでトンネルを目標に進んでいたのですが途中の看板に「トンネル内、自転車・原付通行禁止」の表示が見えたような気がした。
「??」「そんなの有り?」「読み間違い?」登るのに必死で、大きな文字しか見えなかったけど禁止なの!などと混乱した頭で考えながら、とりあえずトンネル入り口まで来たがそのような表記はどこにもない。向こうに出口が見え長くない距離だし「行ってしまえ」と通行。
後から検索してみたところ、その先の2つのトンネルが「自転車・原付通行禁止」らしいとわかる。

鷲倉温泉を過ぎるとスカイライン登坂

「●●方面」というのは時として混乱を招きます。
頭の羅針盤は「こっち」のはずなのに、「●●方面」の文字が思ってるのと違うのです。その看板の前で図らずも停止して、iPhoneを出すが「圏外!」。「はーーーー!?」。
肉体の方へ血液が総動員しているので、考えてみるが電源が入らない。地図付きのサイコンがあればいいのでしょうね。気づかいが一つ減ります。
頭の羅針盤にしたがった方へ恐る恐る進み、何とか野地温泉が見えたときにはホッとした。帰りに日帰り入浴しようかと考えていたが、今日は「日帰り入浴なし」との掲示が見えてがっかり。
ようやく、スカイラインの入り口に到着!
ここまで80分ぐらいです。

ようやく入り口まで

もう何年も来てなかったスカイラインを自転車で登ろうとは思いもしなかった。そう、自転車で走るのは恐ろしいことに50年ぶりぐらいになる。ここを目標に(本当は福島側からなんだが)色々と走ってきたわけで、ラスボスに挑戦です。

ああ、下りもあるんですね。

元有料道路だったこともあって、山道にしては広くなってるのではないでしょうか。林間を走る部分もありますが、概ね開けた感じの道を走ります。ここらあたりが標高1200mぐらい。距離10kmであと400m登ればいいだけです。

事前調査によると、中間地点にあるつづら折れを過ぎれば勾配が楽になるようなので、そこをすぎればゴール下も同然。
でしたが、実際はそうでもなく大したアップダウンでもないのに持久力が無いために楽にはなりませんでした。

噴煙が見えたときには感動!

景色がいいところが多くて、気休めになるのですが森林限界を超えると先の道が見えてしまうのです。
それに、登りだけかと思ったら、結構下りも何カ所かあって帰りを考えると気が重い。いい眺めなのではありますが、これから登るであろう道が上方にはっきりとありえない高度差で何度か見えたときには、二度見しました。「あそこまで登るの!」と。
ペダルを踏んでいれば進む。ただそれだけを繰り返していました。

賑やかな目的地

途中、「最高標高地点1622m」とアスファルトにデカく書かれてあり、少し下るような感じで浄土平レストハウスに到着!
乗用車、バス、バイクで駐車場は90%以上。自転車は無料です。
レストハウスの右手にサイクルラック(?)があるのでそこに愛車をくくりつけて、へたへたとベンチに座ります。
太股が今までに無い疲労感があって、「つる」のではないかとヒヤヒヤ。気休めにしばらくもみもみして息を整えました。

噴煙が多いような気がする
すでに7台が休んでいました
これしみたなー

なんか、あまり食欲は無かったのですが帰りを考えると食べなくてはと思いうどんにいたしました。
スープが透明っぽいですが出しが効いていて、思いの外旨い。
特に三角形の「揚げ」がいい仕事してました。蕎麦バージョンもあったのですがうどんもいいですね。また食べたい。

年代的に知ってる顔なんですが、何でこの人がここに?という理由にピンとこなかったのですが、うどんを待っている間に、周辺の情報収集をしたところ1960年頃(私5歳)、まだ道路が砂利道だった時代に「日活」の渡り鳥シリーズの撮影を、裏磐梯など福島県で行われたようです。
少し大きなディスプレイで、浄土平のシーンがパワープレイされていました。
宍戸錠、小林旭、浅丘ルリ子、あともう一人有名な方が、当時の服装で頑張ってました。お約束で小林旭が馬に乗って登場するシーンがあって「おおお」と心で叫びました。
馬にはこれもお約束のギターがくくりつけてあります。浅丘ルリ子が若すぎて誰だか分からなかった。

ジョー

帰りも登りがあるんですね。

さて、帰ります。
身支度を調えて、長袖ジャージを新たに羽織って「登り勾配」にどきどきしながら乗車。軽快にペダルを回します。最高地点まで少し頑張って漕げば楽になると言い聞かせて進みますが、やっぱり帰りの登りは4%ぐらいでも響きます。

ようやく下り続きになったら、すこし肌寒い。下はビブショーツ上は長袖なのですが日陰に入ると寒ーい。日向に出ると顔が暑ーい。その繰り返しで900mぐらい下って道の駅に戻ってきました。

福島盆地
右上の白っぽい辺りが浄土平付近
西陽が暑い午後3時


50年ぶりの自転車での磐梯スカイラインでまたいい思い出になった。紅葉が始まって景色も良く、うどんもおいしく、無事で楽しめました。
「もう坂はいやだ、このツライ記憶はしばらく残るだろうからもう来春まで峠には行かないだろな」なんて考えながら走っていたのですが、これを書いてる3日後の心境では「今週はどこの峠に行こうかと」考えていました。