カブをボアアップして堂々と右折する噺

カブをボアアップして堂々と右折する噺
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スーパーカブを日常的な足に使っているのですが「原付」という縛りの中で漠然と乗っていましたが、排気量をアップして「原付二種」というカテゴリにすれば、法定速度30kmが60kmになり二段階右折が不要になり使い勝手が良くなるので、「ボアアップ」して「原付二種」にすることにしました。

エンジンをいじるのは初めて。

改造するカブは、C50 G 1986年製 車体番号:C50-942XXXX。ツーリング先の米沢で4万円で購入したものです。
改造部品はAmazonで「KITACOのボアアップ キット75cc」を購入。
購入を決断するまで、自分でできるのかどうかブログやYoutubeで何度か予習をして「いけそうだ」と判断しました。
決断に至った言葉としては「説明書があればプラモ感覚でできる」と、誰かが言ってた「カブってエンジンオイルが無くても走る」という記憶。
そんな想定で作られているカブなら何かあっても大丈夫そうということで2022年年末にゆるりと作業をしてみました。


※まったくの素人です。説明に誤りがあることが考えられますので自己責任で安全に行ってください。

■こんな方はやらないほうが無難かな
・工具はペンチとドライバーしかない
・エンジンはモーターと同じだと思っている
・プラモデルを作ったことがない
・機械っぽいものを分解したことがない
・電池のプラスマイナスがわからない

寒いので室内に入れました

最低限の作業で済ませます。

参考にしたYoutubeは、こちらですがどうも手慣れた感じで遠いところにいる輩のようでカムシャフトまで交換していますので、やらないところは無視したいのですがどこまでが必要なのかシロートにはさっぱり判断がつきません。
購入した部品、ピストンとシリンダを交換するだけの最低限の作業です。
・キャブレター・カムシャフト・スプロケット・マフラーはそのまま

改造パーツ全景(上から、シリンダ・ガスケット類・ピストン・ピストンピン・ピストンリング)
シリンダーとピストンの組立図(KITACOさんより)※ブルーはガスケット
エンジンヘッドあたりの組立図(KITACOさんより)※色の部分は開けなかったり作業しなかったところ
※ブルーはガスケット

前作業は作業のうちにもはいりません。

なるべく楽に作業がしたいので、キャブレター周りを最小限外して退避させておくことにします。
・エンジンオイルを抜きます
・燃料コックをOFFにする(ガソリンが漏れないように注意ぃ!)
・エアクリーナーとキャブレターがつながっている金属のベルトを緩める
・キャブレターとエンジンにつながっているボルトを2本外す
・チョークワイヤーを外す
キャブレターに繋がっているゴムホース類は外さずに、キャブレター本体ごと車体の右側に吊るしておけば作業のジャマになりません。

キャブレターをまるごと退避させておきます。パイプ内のガソリンが出るのでご注意。

次は、マフラーを外し左側のジェネレーターカバーを外します。
マフラーは、エンジン下に2本のボルトと右側ステップの少し上にナットがあって固定されています。このナットは左右貫通したボルトに固定されているので、左右どちらかのナットを固定させて外す必要があります。

シリンダーの旅へ

ここから改造の旅が始まります。
まずは、全体の構造を見てみましょう。ふたつの大きな部品で構成されているのがわかりますね。前輪側にあるのがシリンダーヘッド。本体側にあるのがシリンダーです。
シリンダーヘッドは、小さな空間に気化したガソリンを充満させてシリンダーをガイドにしてピストンがガソリンを圧縮して、いいタイミングでプラグがスパークするとガソリンが爆発してピストンを動かしてチェーンでタイヤを回します。
なんの事だかわからなくても、分解していくと各部品と上記の説明がつながることもあると思いますので参考程度に記憶してください。

シリンダーヘッドの丸カバーをはずす。難度★★★★☆

これ古い車体だと挫折しそうになります。
右側のボルト1本で締まっているのですが、丸カバーが外れません。ええ、外れませんよ。
プラハンマーで叩いても叩いてもだめです。第一にどんだけの力で叩いていいのかもわかりません。散々叩きましたがだめなので、適当な角材を要所に当てておいてそこをめがけ渾身の力で叩きます。外れません。
心折れないよう叩きまくって、ようやくポロリと丸カバーが下に落ちました。
むむ・・・?何か部品らしいものが側に落ちています。
丸カバーの内側にある爪が折れてしまったようです!やっちまった!始まったばかりなのに…
焦りつつその爪の重要度を考えてみましたが、なんとかなりそうなので気を取り直して次の工程へ進みます。

丸カバーを外すと、5cmぐらいのスプロケットとチェーンが見えます。
ここはいいタイミングでカムシャフトを回してガソリンを入れたり、ガスを出したりする機構のパートです。

左の丸窓のスプロケを外します。

カムスプロケットを外してシリンダーヘッドを取る。難度★☆☆☆☆

カムスプロケット(上写真の左の丸の中)の2つのボルトを外しますが、緩めようとすると上記写真右の大きな茶筒のようなものも回転してしまうので抑えながら、ボルトを取ります。
さらに丸カバーの近くにあるボルトを1本抜いて、シリンダーヘッドを固定しているナット4つを外してからシリンダーヘッドを抜きます。
下記の写真です。シリンダーヘッドに「ノックピン」(N30 N26)が残っている場合があるので外したほうを確認して回収してください。ノックピンの位置関係も把握することを忘れずに。

シリンダーヘッドを取った状態

シリンダーを外す。難度★★☆☆☆

最後のシリンダーはボルト一本を緩めれば外れますが、中にピストンがはいっているので引っかかる感じがするので丁寧に抜き取ります。
ピストンは「ピストンピン」と左右の「ピストンクリップ」で止められています。クリップの取り方はマニュアルにその「コツ」が書いてありますのでお読み下さい。ラジオペンチは必須です。
ピストンを外したら折返しで、ボアアップキットに交換しながら取り付けていきます。

シリンダーを取った状態(この後ピストンを外す)

▪️ガスケットについて
今回は4枚のガスケットを交換します。ガスケットは部品同士を密着させるパッキンのようなもの。
外した部品には古いガスケットが張り付いたままになっていますので必ず、綺麗にしてから新しいガスケットを装着して組み立ててください。

ピストンの装着。難度★★☆☆☆

マニュアルに取付け方が記載されていますのでその通りに装着しておきます。120度ずつずらすとありますが、私は適当でした。

ピストンリングは4枚あります。
Youtubeにはめ方の動画があるので参考になさってください。リングにも上下があるんですね…うかつでした。
装着時には、エンジンオイルで潤いをつけておきます。(シリンダーの中も)ピストンは上下があるのでご注意下さい。(これをきっちりやったかどうか自信がありません)
厄介なのはピストリング。
向こう側にピストンリングを装着しておき、ピストンピンが抜けないようにしておきます。ピストンを大体の位置に置いておき、ピストンピンを差し込んでこちら側にピストンピンを装着します。
思ったより力が必要です。切り欠き辺りを目安にリングをグググーとリングを縮めて切り欠きに納めるのです。
シリンダーを入れる前に忘れずにガスケットを入れておきます。

ガスケットにも向きがあるようです

シリンダの装着。難度★★☆☆

キットについてきた、ピカピカのシリンダを装着します。
何のことはないピストンをシリンダ内に通せばいいだけです。シリンダ内とピストンにオイルは塗ったでしょうか?隙間はごく僅かなのでとにかく真っ直ぐに入れます。
先っぽあたりでつっかえますので、根気よく微調整しつつピストンを進めます。ピストンリングが邪魔しているような気がしますが、ある時スルッとあっけなく入ってしまいます。

ピストンがなかなか入ってくれません
シリンダを装着。黒いガスケットも忘れすに。

シリンダヘッドとカムスプロケットの装着。難度★★★★

ここまでは何とかなったのですが、この後の「カムスプロケット」にチェーンをかける工程がなかなか出来ずにしばしやる気をなくしてしまいました。
・チェーンの長さに余裕がなくスプロケにチェーンがきっちり噛んでくれない。
仕方がないので、シリンダヘッドをつける前にスプロケットを大体の位置で噛ませてから、シリンダーヘッド を装着することにしましたが、それでもなかなか2本のボルト位置が合いません。ボルトの穴ぐらいズレています。
ドライバーを使って力尽くで位置を合わせて、ボルトをねじ込みます!
不備はいろいろありますがこれで山を超えました!

奥のカムシャフトが手前に出ているのを知らずに必死にチェーンと格闘
ハマる気がしない状態

エンジンがかかり…..

キャブを繋いで、燃料コックをオンにしてエンジンオイルを入れてエンジンが始動するかドキドキの瞬間。
2、3回とキックしても爆発しない….
チョークを引いて再びキック!

かかりました!

少し金属っぽい音ですが、これが75ccのエンジン音。少し温めて庭をグルグルしてみますが明らかに力があります。これなら少しの峠なら端を走らなくても登れそう。
キットマニュアルには「ハイオク」指定の指示がありましたので、このガソリンを使い切ったらハイオクを入れます。
後日、再びエンジン始動をしてみたら全く動きませんでした。
気温が低いこともありましたが、一度かかったのにと不安な気持ちで三度挑戦したときには汗かくほどキックしてようやく始動!
そういえばバルブのところがカーボンで汚れていたので、「カーボン噛み」かなと素人判断。
「ワコーズの フューエル1」で改善されるかやってみようと思います。
とりあえず、エンジンがかかりオイル漏れもないので奇跡のボアアップ完了です。

■反省やら何やら
・装着しなかった部品(パッキン類)が2つあるのですがこれからどう影響するのか。
・キットについていたマニュアルが文字だらけで読む気がしなかった。(大事なことが結構書いてあった)
・もう一回やったら完璧にできる自信あり
・ボアアップ したらキャブレター、スプロケットやカムシャフト、マフラーなども応じたものに交換すれば特性を活かせそう
・原付二種の申請が心配

申請手続きの話はこちら

■その後のこと
もともとエンジンがかかりにくいカブだったのですが、ボアアップしてますますかかりにくくなってしまいました。(気のせいかも)寒いとなおさらなのですが、「ウンともスンとも」反応しないのですね。
初期始動に手こずることは、よくあることでしたが今回は5分前まで動いていたのに再始動にも気合が必要な状態です。始動しないことはないのですが、キックを最低4回しないと始動しないのは精神衛生的に良くありません。
なんとかしたい。